ソレデモワタシハアナタヲアイス
「隆太、今日がなんの日だか知ってる?」
真由子がそっと口を開いた。
「俺が…美咲を殺した日…」
もう1年が経っていた。
俺はあの事件から1年が経って、ようやく美咲の事が分かったような気がした。
「そう、美咲の命日。で空人の命日」
忘れてはいけないと言うように真由子が付け足した。
「私、今から2人の所に行って来るから」
真由子が少し柔らかい表情になった。
「だらか隆太も早くそこから出て、一緒に行こう」
いつになく真由子の強さを感じた。
空人が死んだ時、誰よりも先に泣いていた真由子が、こんなにもたくましく思えたのは、初めてだった。
「俺は…ここを出たからって…2人には会いに行けないよ…」
いくら反省をしても、いくら償っても、俺がした事は許される事ではない。
俺には、2人に会いに行く資格なんてなかった。
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