ソレデモワタシハアナタヲアイス
5分の疾走
球技大会当日、学校は気持ちの良いにぎやかさに包まれていた。
先生達もクラスTシャツを着て、ここぞとばかりに生徒達との交流を楽しんでいるようだった。
「あっちぃ…」
まだ続く炎天下の中、2回戦で敗北した俺は校舎の日影に逃げ込んだ。
なんで校庭競技のサッカーに割り振りをされた時に気付かなかったのか。
太陽直下。
バレーの方が体育館の中で行われるだけまだマシだったはずだ。
おまけにすっかり暑さにやられてアッサリ敗退。
隆太は今のシーズン、こんな環境で走っているのかと思うと少し尊敬してしまう。
―――そうだ、体育館―――
女子サッカーも男子と同じ結果がすでに出ていたので、状況が分からない体育館競技を見に行く事にした。
「あれ?空人もう終わったの?」
隆太が涼しい顔で体育館の2階のギャラリーに居た。
「そういうそっちは?」
「1回戦敗退」
「勝った。俺ら2回戦敗退」
カレーライスフリーパスを手に入れる為にあんなに盛り上がって練習までしたのに、ふたを開けてみればこんな結果だった。
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