ソレデモワタシハアナタヲアイス
「いいぞー!そのまま逆転だー!」
さっきまで名簿に溜め息を吹き掛けていた担任が、興奮して叫んだ。
恐ろしいスピードで美咲と真由子が次々に点を入れていく。
いつの間にか、コートの回りからは歓声が飛び交っていた。
「なんだよ、かっけぇじゃん…」
俺の目は、瞬きも忘れて試合にくぎづけになっていた。
「こんな事やっちゃって、美咲、また注目されるね、きっと」
いかにも楽しそうに美咲を心配する隆太より一足早く、俺は歓声に混ざった。
「美咲ー!真由子ー!走れー!」
初めて見るボールを追う美咲は、あの花火を見た日と同じ顔をしていた。
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