ソレデモワタシハアナタヲアイス
遮る視界
なんでも出来る人間は本当に居る。
高校に入ってからトップ3と関わったおかげで嫌でも目の当たりにして来た。
それでもまだ俺は思い知らされていた。
「さすが真由子」
美咲の言う通りだ。
目の前にアーチ形に飾られたカラフルな花。
小さな作品が並ぶこの展示教室の中で、一際目を惹く巨大な作品、その制作者が佐々木真由子だった。
身長180センチの俺ですらくぐる事が出来る花のアーチ。
今日の文化祭の為に所属する華道部の作品として作ったらしい。
あまりにもインパクトがあるその作品は、とにかく前を通り掛かると素通り出来ないものだった。
「美咲の好きな黄色でまとめてみました」
俺は花には詳しくない。
だから何という花を使ったのかは分からないけれど、全体的に黄色をベースにした作品だった。
「華道部なのに生け花じゃなくて良いの?」
隆太が他の作品にも目を向けた。
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