ソレデモワタシハアナタヲアイス
「バスケ部は何もないの?」
体育館に向かいながら美咲が聞いて来た。
「うちは何も無し。やれば良いのにさ」
「ふぅーん。じゃ今日は1日ヒマなんだ?」
俺より20センチ身長の低い美咲がいつもの憎たらしい顔で見上げて来た。
「ヒマだね。しょうがないから今日はヒマな美咲に付き合ってやるよ」
だいぶ扱いが慣れて来た俺の言葉に、美咲が不服そうな顔をした。
「別に空人に付き合ってもらわなくて良いし」
クイッと顔の向きを正面に戻して、美咲はスタスタと歩く速度を速めた。
ここ数日、俺は美咲と衝突しなくなっていた。
しなくなったというか、しなくて済む方法が身に付いたんだと思う。
この前の隆太との秘密会議のおかげで、美咲を見る俺の目は変わっていた。
勉強に関する頭脳は負けるとしても、それを除けばどうって事はない。
むしろ何かを企んでいればニヤつくし、気に入らない事があれば今みたいに不機嫌にそっぽを向くところなんかは、腹の中で何を考えているのか分からない、笑顔を浮かべた連中よりずっと美咲の方が付き合いやすい。
冗談でウソをつく事はあっても美咲の言動はいつでも真っ直ぐで、彼女が思うままの事だった。
ただ時々、プライドのせいか変に意地を張るところもある。
自分なりに美咲を解釈するようになってから、俺の中では余裕が出来ていた。
体育館に向かいながら美咲が聞いて来た。
「うちは何も無し。やれば良いのにさ」
「ふぅーん。じゃ今日は1日ヒマなんだ?」
俺より20センチ身長の低い美咲がいつもの憎たらしい顔で見上げて来た。
「ヒマだね。しょうがないから今日はヒマな美咲に付き合ってやるよ」
だいぶ扱いが慣れて来た俺の言葉に、美咲が不服そうな顔をした。
「別に空人に付き合ってもらわなくて良いし」
クイッと顔の向きを正面に戻して、美咲はスタスタと歩く速度を速めた。
ここ数日、俺は美咲と衝突しなくなっていた。
しなくなったというか、しなくて済む方法が身に付いたんだと思う。
この前の隆太との秘密会議のおかげで、美咲を見る俺の目は変わっていた。
勉強に関する頭脳は負けるとしても、それを除けばどうって事はない。
むしろ何かを企んでいればニヤつくし、気に入らない事があれば今みたいに不機嫌にそっぽを向くところなんかは、腹の中で何を考えているのか分からない、笑顔を浮かべた連中よりずっと美咲の方が付き合いやすい。
冗談でウソをつく事はあっても美咲の言動はいつでも真っ直ぐで、彼女が思うままの事だった。
ただ時々、プライドのせいか変に意地を張るところもある。
自分なりに美咲を解釈するようになってから、俺の中では余裕が出来ていた。