ソレデモワタシハアナタヲアイス
カウントダウン
空人の言う通りだった。
文化祭のあの時から空人はずっと私を待っていてくれている。
逃げ回る私を追い詰める事もなく空人は遠くから見守ってくれていた。
私は、自分の中でほぼ答えが出ているにも関わらず、そんな彼に甘えて今のこの関係を継続しようとしていた。
正直、他人からあまり怒られた事のない私は、空人の本音に少なからず恐怖を感じた。
そのくらい空人が自分に本気だという事が痛いくらいに分かった。
私の返事を聞いたら、空人は一体どんな反応をするのだろうか。
もう今のように話しかけてはくれないかもしれない。
私の机でノートを広げて英語を教えてと言っては来ないかもしれない。
それを覚悟した上で、私は答えを出そうとしていた。
とはいえ、あのタイミングで空人が出て来たところを見ると、きっと私とあのワケの分からない男子生徒とのやり取りをしっかり聞いていたのだろう。
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