運命
「っ別にあれぐらい
どってことねぇーし」
・・・あれっ怒っていない。
「あ・・ありがとう。」
高校に入ってから
久しぶりに男の人と
話した。
「工藤の家って
こっちなの?」
「っあ、うん。 そうだよ!
潤くんもこっちなの?」
「っはは! 潤くんとか・・・
潤でいいしっ!
多分、工藤家の近くの
マンションだよ。」
「そうなんだっ したら
けっこう近いんだね。」
なんであたしの家
知ってるんだろう・・・。
そう思った。
「したら、あたし帰るね!」
別に話すことも
なかったから
帰ろうとした。
「・・・あのさっ!
アドレス交換しねぇー?」
突然、潤に言われた。
「・・・えっ別にいいけど!」
「やった~!!」
潤は子供みたいな
笑顔をして喜んでいた。
「工藤~ ありがとう!
したら俺帰るわっ!」
「あたしも帰るね。」
「俺、 家着いたら
速効メールからっ!
じゃあなっ。」
潤は走って帰っていった。あたしはのんびりと
いつものように帰った。

なんで、あの潤が
あたしを待っていたのか
この時は不思議で
たまらなかった。

ガチャ・・・
だだいま。
「・・・・・」
今日も誰もいない。
お父さんもお母さんも
仕事でいつも帰りが
遅い。
姉ちゃんは
家にいるときは居るけど
ほとんど家には
帰ってこない。
寂しい家ですね・・・。


< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop