【短編集】エーテルの底で


それでもなるべく人通りを避けてしまう。

街にいこうとしたけれど人の波に飲み込まれている自分を想像して、やめた。


あたしが訪れたのは紅葉が綺麗な並木道だった。

ここは静かで、風の音しかしない。
うるさい人の声も、鋭い人の視線も感じなくていい。


呼吸ができた。



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