【短編集】エーテルの底で


男はまた「ふーん」と呟いて、あたしを見つめた。

見つめたというよりは品定めするような見方。
顔、胴体、足、そして指の先まで細かく穴があくくらいの強い視線を感じる。

思わず身体を強ばらせ、掌に汗をかいているのに気付いた。


火傷に気付くんじゃないだろうか?

いや大丈夫。
マフラーしてるし、コートだって……
顔は、帽子で隠れてるはずだ。


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