【短編集】エーテルの底で
遺書
僕は今日、死ぬことにしました。
16年間というものは短いものなのでしょうか?
「たった16年で…」と、なじられてしまうのでしょうか?
だけど僕の16年間は確かなもので、そこに“たった”なんて言葉は存在しないと思うのです。
これは、まだ大人になりきれていない浅はかな考えの証拠でしょうか?
だけど、僕のこの苦しみを確かにこの体はこの心は充分すぎるほど実感したのです。