クールトラップ【BL】
狭い路地から少し歩いていくと、さっきいた場所とは打って変わって、賑やかな繁華街にでた。
人々が行き交う街で、食べ物屋やら洋服屋などがズラリと並んでいた。
僕はいつも行き慣れた少し目立たない道を通り、ある場所についた。
「おお!渡っ!おはようさん。昨日は大丈夫だったか?」
僕の姿を見るなり、明るい声をかけてきたのは、翔(ショウ)さんという飲食店のオーナー。
「うん…だいたい、大丈夫」
「だいたいって…渡、あまり無理するなよ。こっちで一緒に住んでもいいって言ってるのに…」
「ありがとう‥でも、僕は今のままでいいんだ」
そう言ってぎこちなく笑った。