最初で最後
シャッ…シャッ…シャーッ…
先生はあたしと話しながら
なにかを書いていた
『なんで恋しないの?』
「…みんなからそれ、結構
ゆわれます。逆に聞きます。
なんで恋しないと変なの?」
『そりゃぁ17年生きてたら
いい人に一度や二度と出会うから』
「あっあたしまだ16年です」
『あーそう』
シャッ…シャッ…シャーッ…シャーッ
『うん、出来た』
「へ?」
『はい、今の君。
笑顔が足りないよ
俺、会田の笑顔みたい』
「……笑顔?」
先生に笑顔が足りないと
ゆわれたとき、正直悲しみで
いっぱいだった。
あたしから笑顔を奪い去ったのは
恐ろしいものだった