甘い香り
あたしはもうこの時点で決めていた。

「解った。
離れればいいんでしょ?
だけどひとつ条件がある。
あたしがお兄ちゃんを
好きなことは口外しないで。
それが出来るなら
あたし高岡くんから離れてあげるわ。」

「おい、藤村…本気か?
お前それでいいのかよ。」

「本気よ。今までありがとね。
楽しかった。」

「解った、じゃあ交渉成立。」

愛美が言った。

あたしは教室を出ていった。
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