甘い香り
その時だ。

「良かったら、泊まっていく?」

「え!?いいの?ラッキー。
じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかなぁ。」

(えっ!?)

「そうしなよ。替えの服はあるし。」

「お兄ちゃん…
そのひと、うちに泊まるの?」

震える声で言った。

「あぁ、涼香は嫌か?」

嫌だ、とはっきり言ってしまいたい。

「…嫌じゃないよ。」

あぁ、言ってしまった。

「ごめんね、涼香ちゃん。
お世話になります。」

あたしは何も答えず夕食を作り、
部屋に帰った。
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