甘い香り
やがて、お兄ちゃんが
ため息をついて言った。

「…解った。
鈴華には帰ってもらう。
それでいい?」

「うん…。」

「じゃあ、ここで待ってな。
すぐ説得して帰らせるから。」

「解った。」

お兄ちゃんは手を振って
部屋を出ていった。

(…大丈夫かな?)

あたしは少し不安になった。

自分で言ったわがままで
皆を困らせておいて、
勝手に不安になる。

嫌なやつだと自分でも思う。
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