甘い香り
鈴華さんが帰ったあと、
ようやく目を覚ましたお兄ちゃんに、
鈴華さんが諦めたことを報告すると
お兄ちゃんもホッとしていた。

「ごめんな、涼香。迷惑かけて。」

「ううん、大丈夫だよ。」

「鈴華、悪い奴じゃないから。
ただ、度が過ぎるだけで。」

「うん。あたしも人を好きな気持ちは解るから。」

「まぁ、許してやってくれ。」

「ん。それよりもう大丈夫?」

「あぁ、ゆっくり寝たら良くなったよ。
ありがとな。」

「どういたしまして。」

お兄ちゃんはあたしの頭を優しく撫でた。
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