甘い香り
どれだけの沈黙が続いただろうか?

僕は、もう一度息を吐いた。

「しょうがないな…。
好きにしたらいいよ。
ただし、後で後悔しても
僕は知らないからな。」

「…いいの!?」

「うん、けど約束して。
行かないって自分で決めたからには
僕の側から絶対に離れないこと。」

「解った、約束する。」

「じゃあ、僕と指切りして。」

「うん。」

僕は涼香と指切りをした。

ほんとのほんとは、行ってほしかったけれど
涼香の涙に負けてしまった。

僕はつくづく義妹(すずか)に弱い。
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