甘い香り
perfume25
冬。

僕は病院に居た。

このところ調子が悪く、入院している。

涼香は毎日お見舞いに来ていて、
貴之叔父さんは、週に一回来てくれる。

今日はその日だった。

コンコン、と病室の扉がノックされ
貴之叔父さんが顔を出した。

「叔父さん。」

僕は起きあがろうとした。

けれど思うようにいかない。

「あぁ、そのままでいい。
無理はするな。」

貴之叔父さんはそう言って、
ベッドサイドの椅子に腰掛けた。

そして、僕の頭を撫でる。
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