甘い香り
その時だ。

後ろから、呼ぶ声がする。

「…か!涼香!」

振り向くと、貴之叔父さんが居た。

「叔父さん。」

「…涼香。こんなところにいた。」

「お兄ちゃんは?」

「大丈夫、寝るように言ってきたから。」

「そっか。」

貴之叔父さんは、あたしに言った。

「…涼香。信じられないかもしれないが、
俺たち家族が受け入れなくてどうするんだ?
涼太はもうとっくに受け入れているぞ。」

「だって…離れたくないんだもん。」

「…まったく、しょうがないな。
昔話をしてもいいか?」

「…うん。」

貴之叔父さんは、
「寒いから中に入ろう。」と言った。

あたしは貴之叔父さんの後を追って中に入った。
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