甘い香り
perfume26
冷たい空気の待合室。

あたしと貴之叔父さんは、
長椅子に並んで座った。

「俺が高校生の時、
兄貴が生徒会長をしていたのは
知っているな?」

「うん。写真見せてもらったよ。」

「その兄貴の一個上の先輩
優之介さん、っていう人がいてな。」

「うん。」

その話はお父さんから少しだけ
聞かされていた。

頭が良くて、生徒会長してて、
お父さんはその人に憧れて
生徒会長に立候補したって。

「皆に人気だったよ。
ニコニコ笑ってて、
でも真面目な場では真剣で。
だけど彼には陽鞠さんが居たし
誰もが認めるカップルだったから。」

「うん。」
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