甘い香り
「おいで。」

涼ちゃんは、あたしに手招きをした。

どうやらベッドの上に乗せてくれるらしい。

古いベッドのきしむ音。

あたしはまた太ったかと
一瞬焦ったが、2人乗っていることに気づいて
恥ずかしくなった。

(心臓の音、涼ちゃんに聞こえちゃう…。)

顔が熱い。

すると、涼ちゃんは
あたしをぎゅっと抱きしめてくれた。

(ひゃー…!)

「…涼香…。僕、死にたくない…。」

「え…?」

思わず聞き返してしまった。
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