甘い香り
「…本当は、すごくすごく怖い。
自分がこれからどうなってしまうか…。」

「涼ちゃ…」

「ずっと涼香のそばにいたい…。
そばにいて、未来を見たい。
一緒に、歩みたい。
…ないものねだり、かな?」

「そんなことない!」

「涼香…。」

「涼ちゃんは生きるよ。断言していい。
誰がなんと言おうと、ずっと一緒。」

「…ありがとう、涼香。」

涼ちゃんは微笑んだ。

それが、あたしの見た
涼ちゃんの最後の笑顔。

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