甘い香り
高岡くんはお焼香をしてから
涼ちゃんのそばに座ると
顔にかかっている白い布をどけて
顔を見た。

「…綺麗な顔してるな。」

「うん、綺麗に
お化粧してもらったから。」

「そっか。」

続く沈黙。

時計の音だけが部屋に響いていた。
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