甘い香り
涼ちゃんのことは
忘れてないし
今でも家族で命日には
お墓参りにいくの。

舞も写真でしか見たことないけど
「ママのたいせつなひと」
ってことは理解しているようだ。

そのとき、二階から
大翔くんと舞が降りてきた。

寝起きなので二人とも
髪がぼさぼさだ。

「もー、二人とも
髪の毛ぼさぼさ。
整えていらっしゃい。」

「はーい、行こう、舞。」

「うん」

あたしはその後姿を
微笑みながら見ていた。


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