甘い香り
『今から寝台車乗って、
明日の朝駅につく。』

「…本気?」

『本気だよ。
凄く凄く傷ついてショックで
追いかけてたら
叔父さんに止められたけど、
あたしの気持ちは変わってない。』

「…勝手にすれば。
でも迎えには行かないから。」

『自力で探す。小さな町だもの。
すぐに見つけて掴まえて、離さない。』

僕は呆れて電話を切る。

ソファに横になった。
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