甘い香り
すると、部屋のドアがノックされた。

「あ、起きてる。
ダメだよ、まだ寝てなきゃ。」

涼香がそう言いながら入ってきた。

「…どういう、こと?」

「あ、自分が電話したくせに覚えてないの?
早退までして駆けつけたのに。
…なんてね。大丈夫?」

「ごめん…。」

僕は思わず下を向いた。
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