短編小説の集い。
勢いのついたブランコは、軋む音の間隔が広くなり、ふわっと空を飛んでいるように思えました。
風をきって、気持ちいいだろうな。
私もしよ!
少女は隣のブランコに勢いをもらって、自分でも大きく、大きくブランコを揺らし始めました。
キイ──……キイ──……
風の感触は心地良く、少女の肌をなでるように優しく包み込みました。
あはははは。あはははは。
隣のブランコで遊んでいる子と同じように少女は笑いました。
「あはははは」
だけど、少女の目の前にいた子供達は半分泣きそうな顔をして、怯えながら少女を見ていました。