短編小説の集い。
 

少女の顔色はみるみる内に青ざめ、隣のブランコを凝視しました。


誰もいない。


隣のブランコは人でなしに、ブランコ一人で動いていました。

子供が乗って遊ぶように揺れていました。


あはははは。あはははは。


誰もいないはずのブランコから女の子の笑い声が聞こえました。

そして隣のブランコは、


一緒に遊ぼう。


と喋りかけてきました。


「きゃーーー!!!」


少女は取り乱し、一目散に逃げだしてこの場を跡にしました。

楽しそうに笑うブランコは、寂しそうに勢いを失いました。


それを老婆は優しく微笑みながら、見ていました。
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