短編小説の集い。
 

あれから数日間、子供達が遊びに来る事はなく、ブランコが動く事はありませんでした。

それでも毎日、老婆はいつものようにベンチに腰をかけていました。


ある日──噂の公園の取り壊しが決まりました。

最後の記念にと、立ち寄る人もおらず、老婆だけがベンチに座っていました。


そこへ、この間遊んでいた子供達がやってきました。

子供達は恐る恐る老婆に声をかけました。


「おばあちゃんは何をしているの?」


老婆は子供達を見て、優しく微笑みました。


「子供の遊ぶ姿を見ているのだよ」

「でも誰もいないよ。しかもこの公園はこわーい幽霊が出るんだよ」
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