短編小説の集い。
 

老婆はそっとうなずいて、優しい口調をしていました。


「そうけぇ」

「そうだよ。しかも、明日でこの公園は取り壊しになるんだよ」

「そうけぇ。ならたくさん遊んでいきんさい」

「嫌だよ! だって幽霊が出るんだよ! こないだ見たんだ! あのブランコが笑うとこを!」


ブランコは寂しそうに、キイ……と小さく軋んだ。

それに気付いた子供達の一人が、怯えながらみんなをつつきました。


「……やっぱりいるよ。ヤバいよ……早く逃げよう」


子供達は取り乱し、老婆に一言言い残し立ち去りました。


「おばあちゃん逃げた方がいいよ……この公園幽霊いるんだよ!」

それでも、老婆は優しく微笑みました。


「そうけぇ」
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