短編小説の集い。
翌日──公園は立ち入り禁止の看板が立てられ、取り壊しが始まりました。
その様子を見に来た親子が一組いました。
子供は手を繋いだままの母親に聞きました。
「幽霊はどうして公園にいたの?」
母親は優しく子供に教えました。
「昔、この町には公園がなかったの。それでね、公園を作ろうという話が上がって子供達は大喜びしたの。
工事が始まって、ずっとまだ出来ないかな。まだ出来ないかな。と楽しみにしている女の子が一人いたの。
その子の親は公園を作ろうと言った人で、その子に聞いたの。
どんな遊戯が欲しいって。
女の子は答えたの。
ブランコが欲しいって」