短編小説の集い。
「工事は着々と進んで、完成まであと少しまできたの。女の子は待ちきれない気持ちで、いつも母親と手を繋いで公園を見ていたの。
ようやく工事が終わって、公園が完成したの。
おおはしゃぎした女の子は母親を連れて、公園に向かったの。
だけど、向かう途中で交通事故にあったの」
子供は母親に向かって、恐る恐るたずねた。
「その女の子はどうなったの?」
「亡くなったの……
その子は、誰よりも公園が出来るのを楽しみにしていたのに、一度も遊ぶ事なく、亡くなったの……
それから供養の為に、公園に碑石が立てられたの。
安らかに眠りますようにと……」
子供は怖くなって、母親の手を引っ張った。でも好奇心から、母親にたずねた。
「その女の子は何て名前なの?」