僕が出来るまで。
このクラスの席替えはまず男女バラバラになり、片方が廊下にでる。





そして仲のいいもの同士席につき、場所を決め、廊下にでる。






そして男女両方が席を決めたらそれぞれがその席に決まる…というような方法だ。







そして女子の番が終わり、いよいよ僕ら男子の番になった。






「なぁーどーするよ。」






教室に入るとすぐに伊月が僕に問いかけてきた。





「んー…俺端っこの方に座ろっかなぁ…」






…この時のことは忘れもしない。






僕はコの字型に並べられた机の一番右の外側の列…オルガンの横…黒板の真ん前の席…







僕は何の因果かその席に座ったのだ。







しかしこの時の僕にはやはり女の子が隣の席にくる事が鬱で鬱で仕方がなかった。








「せんせー!男子終わりましたぁー!」








その言葉のすぐ後に教室に女子がどんどんと戻ってきた。







僕はオルガンの方を向いてうつむいていた。






だがその時…









「如月君…だよね?」






隣に人の気配がし、僕に話しかける女の子の声…





僕は恐る恐る振り返るとそこには髪の毛をポニーテール縛りにした女の子が1人…笑顔で立っていた…。








「山口 香乃です。《カノ》って呼んでください。」






呆気にとられながら僕は彼女の顔を見つめた。






「よろしくっ!」







僕と目が合うと彼女は笑顔でそう挨拶した。
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