僕が出来るまで。
それではまた過去に戻るとしよう。









こうして僕らは互いの存在を知った。








そして体育の時間の時…






「なぁすぐちゃん…《山口 香乃》ってどう思う?」




と、僕は体育館のステージに腰掛け、バスケットボールを持ってシュートの練習をしている伊月に問いかけた。








「…んー…まぁ一言で言えば…モテるよ。顔は普通よりやや上くらいだけど…」







伊月は振り返らずに返事をしながら彼の足は床を蹴り、高く飛び上がりながらシュートを放った。








そのシュートは綺麗な弧を描きながらゴールのネットを揺らした。







「性格が抜群にいいからな。」







伊月は汗を拭いながらそう言い、僕の方に歩み寄ってきた。












「そっかぁ…。」








僕はステージから垂らした足をブラブラさせながらそう呟いた。










その様子を見た伊月がニヤリとしながらこう問いかけてきた。








「お前…山口の事好きなんだ。」





「ぶッ!?」









あまりにも唐突でストレートな質問に僕は思わず吹き出してしまった。







「えと…今は別に……好き…とか…そんなのは……えっと…ない…。」








そして僕は伊月の目を見れずにしどろもどろにそう呟いた。







すると伊月はニヤニヤしながらステージに腰掛けた。






「…まぁいいけどあいつを狙うならライバルは多いぞ。」






「ライ…バル…?」







その言葉に僕は思わず聞き返してしまった。






すると伊月はまたニヤリとしながらこう呟いた。






「そ。あいつを狙ってるのはお前だけじゃなーいの。」








そして伊月はその人たちの名前をあげはじめた。


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