僕が出来るまで。
教室に入り、席に戻ると再び聞こえてくる陰口。





僕はそれをできるだけ聞こえないふりをして前の席の友人、茅野 崇公(ﾁﾉ ﾀｶﾏｻ)と話していた。






そして日程はどんどん進み、午後の授業に突入した。








午後の授業は５時間目に学級がある。









つまりこの学級の時間に席替えが行われるのだった。







そして僕が机の移動に備えてランドセルに荷物を入れている最中に扉が開き、担任の小池先生が入ってきた。







小池先生は40代くらいの眼鏡をかけた先生で、なかなか顔もダンディーな先生だ。







｢きりーつ！礼！着席ー！｣







当番の授業開始挨拶も終わり、皆がそわそわしながら先生の言葉を待っていた。







そして先生が黒板に大きな字で『席替え』と書き、皆の方に向き直ると話し始めた。








｢はい、それじゃあ今日の学級の時間はみんなが楽しみにしている席替えを行おうと思う。｣







その瞬間、皆は一斉にざわめきはじめてクラスは一気に騒がしくなっていった。










僕は朝心の中では大きくため息をついていたが…実は少しどんな子が隣に来るのか期待していた。








…その期待は裏切られることなく、後に僕が一生忘れられ無い出会いを生み出すことになるとは…この時の僕は想像もしていなかった。
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