不器用なカノジョ。
「サイテー!バカ!アホ!俊輔なんてキライっ!!」
うっひゃあー
俺、すげぇ言われ様だな。
けどさ、ひろ。
全然俺、傷つかないや。
だってひろ、相変わらず顔がピンク色だよ?
その顔でいくら貶されたって効果はゼロ。
「ひろ」
俺は1歩ずつゆっくりとひろに近づいて行く。
「い、イヤ!
やめて!来るな!俊輔っ!!」
必死で俺を遠ざけようとするひろ。
そんなに一生懸命にならなくても俺は何にもしないよ。
イヤがる女の子を無理矢理抱きしめるような趣味はないからね。
「ひろ、サンキュ」
満面の笑顔を浮かべてひろの頭に手を置いた。
抱きしめない代わりに、これくらい…いいだろ?
ひろは抵抗をやめて俯く。
そして、小さな声で
「…うん」
と、だけ応えた。