不器用なカノジョ。




頭を抑えながら後ろを向くと慎太郎の手には教科書が。



「てめぇ…教科書の角で頭イクのはダメだろ!

ヘタしたら血ぃ出んぞ!!」


「血、出た方が良かったんじゃね?

ほら、よく言うだろ。

血も滴るいい男、って。」


「それを言うなら

水も滴るいい男、だ!」


コイツ…マジで俺のこと、バカにしてる?



「つーかなんでんなことすんだよ!」


教科書の角とか1番痛ぇんだぞ!!



「え?だって俊輔がヘンなこと言うから」


ヘンなこと…?


「俺、何言ったっけ?」


「ひろちゃん?が自分のだ、って。

ヘンだろ、この言葉」


「いや、ヘンじゃねぇ。

事実だ」



そう言うとなぜか慎太郎は溜め息をつく。



「あのな、それを言っていいのは

ひろちゃんのカレシだけ。


残念ながら俊輔はカレシじゃありませーん」


そう言って慎太郎はニヤッと笑った。








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