不器用なカノジョ。
「なあ、俊輔?」
「ん?」
「ひろちゃん、来ないの?」
教室の隅で仕事をサボる慎太郎と俺。
健にバレたらなんて言われるか分かったもんじゃねーが、もう休憩なしで3時間は働いたんだ。
俺たちはよく頑張った、つーことで勝手に休憩に突入!
「ああ、一応来て、とは言っといたんだけどな」
「行く、って言ってくれたワケ?」
「いや…考えとく、ってさ」
「ふっ!
相変わらず素直な返事はくれねえんだな」
「まあそれがひろ、って人間だから」
そう応えるとなぜかニヤニヤと頬を緩ます慎太郎。
気持ち悪いぞ、おい。
「お前、相当好きなんだな、ひろちゃんのこと」
「はっ!?何いきなり言いだしてんだよ?!」
「いやあさ、今俊輔の顔見てて、ひろちゃんのこと話すときお前の目、少女マンガ並にキラッキラすんじゃん。
だから、大好きなんだなーって」
「あたりめーだ!
俺、ひろ一筋だもん!」
「そこまではっきり言われるとおちょくる気なくすわー」
慎太郎は苦笑い。
だけど、事実だから仕方ない。
なんせ、ひろなら目に入れても痛くないんだからな!