不器用なカノジョ。
「うっせぇー!
んなこと、俺だって分かってるわ!
でもいつか…必ず、ひろは俺のになる!」
「せいぜい、夢は寝て見るんだな」
ふっと鼻で笑う慎太郎。
コイツ、マジでムカつく。
絶対いつか教科書5冊の角を頭の上から降らせてやる。
「でさ、俊輔。
俺、別にひろちゃんを口説く気なんてサラサラないから。
これでも一応、彼女いるし」
「はぁ?!ウソだろ!?」
「なんだよ、それ。
俺に彼女いたらおかしいか?」
「当たり前だ!
なんでこんなイチイチうるさい慎太郎に彼女ができるんだよ!」
慎太郎は呆れた顔。
あ、しまった。
ついつい思ってることを素直に口に出しちまった。
これ、俺の悪いクセ。
「俊輔、俺のこと見誤ってる」
「どういう意味だよ?」
「俺、女の子にはとびきり優しい、ジェントルマンなんだ」
………やっぱコイツ、バカだ。