不器用なカノジョ。





「で、そこに行けばいいワケ?」


「そ!…っていうか言ったじゃん!

喫茶店やるから来いよ、って。」


「そうだっけ?忘れた」


シレッとした顔でまたそういうこと言ってさ。

ホントにひろは俺に対して意地悪だよな。



「千尋、行こうよ、喫茶MIX!

おもしろそうだしさ!」


「え…」


「ね?いいじゃん!」


響ちゃんの強い押しにより



「仕方ないなあ」


ひろがうちのクラスへ来ることになった。

ナイス、響ちゃん!



「なあ、ひろ?」


図書室を出て廊下を歩く。

前にはすっかり打ち解けた様子の慎太郎と響ちゃんが談笑している。



「ん?」


「響ちゃん、ひろの友達?」


「うん、そう」


ひろの顔を見るとどこか嬉しそうで。

俺もつられて笑顔になった。



「そっか、よかった」


「何が?」


「ひろにやっと友達ができて」


「だから、友達は100人いるってば」


「もうそれ、いいから」


「よくないっ!」


どうやらひろは相当、頑固のようだ。

…ま、最初から知ってたけどね。







< 140 / 235 >

この作品をシェア

pagetop