不器用なカノジョ。
「…味方?」
「そう。味方。
あの日…俺、言ったじゃん。
何があったって俺はひろの傍を離れない、って。
それってイコール、味方ってことでしょ?」
あの日…ひろがキョンちゃんにフラれた日。
俺は確かにそう言ったのだ。
俺じゃない男を想い、泣いているひろに。
「…ホント、あんたってヘン」
ひろははあ、と溜め息をつく。
「…より、戻さないわよ」
「え?」
「だって私、好きな人…いるから」
「……へ?」
「もうこれ以上は答えないから。
…あ、1つ言っておくけど好きな人、キョンちゃんじゃないからね」
ひろはそう言って。
最後に悪戯っ子みたいに楽しそうに笑った。