不器用なカノジョ。
怖いんだから仕方ないだろ
それから後夜祭は盛り上がった。
俺たちは図書室からグラウンドに移動して。
キャンプファイヤーの火に照らされながら話をしていた。
慎太郎と響ちゃん。
俺とひろ、というグループに別れて。
「なあ、俺たち一緒にいる必要ある?」
思わずひろに聞く。
だっておかしいだろ。
4人で一緒にいるのに2つに別れる、って。
「仕方ないじゃない。
あの2人の間には割り込めないでしょ」
「まあ…確かにな」
慎太郎と響ちゃんを横目で見る。
2人の顔は火に照れされほんのりと赤くなっていた。
「慎太郎くんて」
「ん?」
「彼女、いるんでしょ?」
「ああ、いるよ」
「じゃあ、言っておいて」
ひろは少しだけ怖い顔をする。
「彼女いる身で響に手出したら、私が許さない。って」