不器用なカノジョ。






「俊輔」


「ん?」


「提案があるんだけど」


電車に乗って着いた場所はショッピングモール。

慎太郎と響ちゃんが何やら店を物色してる最中、俺とひろは店の外でぼーっとしていた。



「提案?」


「うん。

私と俊輔でさ、あの2人…くっつけようよ」


「…え?」


思わず、聞き返した。

だってまさかひろの口からそんな言葉が出てくると思ってなかったから。



「これ、内緒なんだけどさ。

響、初めて慎太郎くんに会ったときからスキなの。」


「え?それって一目惚れ、ってやつ?」


「そう。

でも慎太郎くんに彼女がいるのは分かってたから。

だから響、できるだけ自分から連絡しないようにして、いろいろ頑張ってた。


で、この間慎太郎くんが彼女と別れた、っていうの聞いて。

ホントに嬉しそうで。

これでなんの遠慮もなく、連絡できる!

ってすごい喜んでたの。


そんな姿見てたらさ。

どうしても響には幸せになってほしいの。


だから…協力、して」


上目づかいで俺を見つめるひろ。




「…いーよ。

俺とひろであの2人、くっつけよ」




んな目…反則じゃん。

断れるワケねーっつーの!








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