不器用なカノジョ。
救えるのはお前しかいない
「じゃあ、頑張ってな!ひろ!
俺も頑張ってくるから!」
「うるさい。
俊輔に言われなくたって頑張るに決まってるじゃない」
素直じゃないんだから、ひろは。
あの日から1週間が経っていた。
ひろは学校で大会。
俺は今から練習試合。
試合がうちの学校でやるならよかったのにあいにく、今日は相手の学校での試合だった。
「試合終わったらさ、また学校帰ってくるんだ。
だからそのとき、1位の賞状見せてよ」
「誰が俊輔に見せると思ってんの?」
またまたそんなこと言っちゃってさ。
「俊輔ーっ!行くぞー!」
「今行くーっ!!」
バスの前にいる純に呼ばれる。
「じゃあ、俺応援してるからな。
頑張れ、ひろ」
「人のこと応援してる余裕なんてないでしょ。
ちゃんと、活躍してきなさいよ」
「任せろ!この俺様に!」
ニッと笑った俺はひろに手を振ってバスまで走る。
多分、ひろ…今日優勝するんだろうな。
なんせ、この地区でひろの相手になる人はいないらしい。
ひろは頭1つ、飛びぬけて強い、そう聞いている。
ひろ…頑張ってな。
俺も頑張ってくるからさ!