不器用なカノジョ。
「だって…どーせ俊輔の本音なんてくだらないんだもん。
ならせっかくだし、もっとくだらない建て前、聞いてあげよっかな、って」
あの…ひろさん?
俺、今右のストレートパンチ喰らったあとでもう1発左のストレートパンチがきたんですが…気のせいですかね?
「…もういい。
どっちも教えてやんねーよ」
「あっそ。
それはそれでいい」
随分とサバサバしてらっしゃいますね、ひろさん。
まあ昔っからですけどね。
「あ、そうだ!
俺、自己紹介してなかった!
星慎太郎 バスケ部所属!
彼女アリ!
よろしくね、千尋ちゃん!」
「彼女の有無の情報は…いらないよね」
ほぼ初対面のヤツにそうも堂々と言えるのか、ひろは。
さすが…としか言えない。
「まあまあ!
とりあえず俊輔はいいから俺とは仲良くしてね!」
「おい!なんで俺はいいんだ!
ひろ!それこそ慎太郎はいいから俺と仲良くしろよ!」
「……俊輔と仲良くする可能性はゼロだけど慎太郎くんとは仲良くするかも」
ひろはそう言ってニヤッと笑った。