不器用なカノジョ。
「はい、じゃあ問題配るからまだ中は見るなよー」
こうして1時間目からテストが始まった。
はぁ…
やる気でねーな、まったく。
問題文がびっしり書かれたプリントの横に真っ白の解答用紙。
机の上にチラッと視線を移すが
やっぱりやる気は起こらず。
仕方なく、ペン回しをしながら窓の外をぼーっと眺める。
にしても…ひろ、マジで可愛くなってたよなぁ…
あ…でも可愛い、つーよりキレイになってた。
最後に会ったのが小6だろ?
3年の間に女ってそんなにも変わんの?
きっと…中学の頃なんてモテたんだろうな、アイツ。
ヘンな男にひっかからなかったかな?
ま、そんな心配いらねーか。
ひろだもんな。
しっかり者過ぎる、ひろだもんな。
引っかかるはずねーか。
なんてやっぱり俺の頭の中はひろのことでいっぱい。
すると
【バシッッ】
突然、頭に痛み。
「……ウッ」
思わず声がもれる。
ゆっくり視線を上へもっていくと、案の定…
「何やってんだ?俊輔」
武藤先生が閻魔(エンマ)帳片手に俺を睨んでいた…