不器用なカノジョ。
「俺…見吉 純(ミヨシ ジュン)
以後…お見知りおきを」
おいおい、いくらなんでも落ち込み過ぎだろ。
「お、おい?
純?俺らが悪かったからさ、あんま落ち込むなって」
純の肩をポンポンと叩く。
するとバッと純が顔を上げて。
「絶対俺、お前らより早くレギュラーになってやるからな!」
と、叫んだ。
…ダメだ。
俺、コイツ、分かんねえ。
どう扱うのが正解なのか、
答えが全然見えねぇ。
「健、コイツ、頼む」
「はあ?なんで俺なんだよ」
「え…お前と純、お似合いじゃん」
「どこをどう見たらそうなるんだよ?!
俺、絶対ヤだからな!」
俺たちは顔を見合わせるとはあ、と溜め息を零し、
部室の隅でスパイクを磨き始めた純を眺めていた。