不器用なカノジョ。




そしてその日は特に練習をすることもなく、

監督と顧問、先輩たちの話を聞いて、お開きになった。


時刻は3時。

さすがに腹減ったなあ、

なんて考えていると愛しの後ろ姿を発見。


俺は追いかけて正面に回り込んだ。

後ろから声をかけると背負い投げされちゃうからね。



「おっす!ひろ。

こんな時間まで何やってたんだよ?」


俺の正面に立っているひろは明らかに不機嫌で。

俺ってそんな嫌われちゃってんの?



「ねえ、俊輔。

あんた、私のストーカー?」


俺の質問の答えの代わりにこんな言葉が飛んできた。



「ストーカーなんて人聞きの悪いっ!

違うでしょ、ひろ。


俺はひろの、幼なじみじゃん」


「え?そうなの?

私、そんなこと1度も思ったことないけど」


「またまたぁ~

そんな冷たいこと言うなって」


ひろは相変わらず俺にキツく当たってくるけど。

だけど、俺、すっげー嬉しいんだ。


だって、どんな酷いこと言われても

無視されるよりはマシだろ?


って俺、もしかしてM体質?









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