不器用なカノジョ。
「ひろ、健と同じ中学だったんだろ?」
「そうね」
「で、健とひろは…付き合ってた」
チラッと横目でひろを見ると無表情で。
イッツ!無表情!
…って、何言ってんだ、俺。
ついに頭おかしくなったのか。
「…過去の話よ。
それがどうかした?
なんか聞きたそうな顔、してるけど」
「べ、別にそんな顔…「してる」
そんな顔してねーよ、って言おうと思ったのに見事に遮られる。
「昔っから俊輔はウソがつけない。
だっていつも真実が顔に書いてあるから」
「うっせーよ。
どっかの誰かさんみたいにポーカーフェイス、なんて離れ業、できないもんでね」
一応、皮肉ったつもりなんだけど。
でもひろの反応はナシ。
どこまでもクールなんだから。
俺といるときくらい、その鎧、外してほしいもんだけどね。