不器用なカノジョ。
息苦しい?
教室が?
その言葉の意味を確認しようとしたところで
「あれ?今日は先客がいるのか」
と、突然背後から声がした。
振り向くと、見たことのない眼鏡をかけた男の人が立っていた。
「あ、キョンちゃん。
いいの、コイツのことは気にしないで。」
キョンちゃん?
それ、この人のあだ名か?
「だから、その呼び方すんな、っていつも言ってるだろ」
「でもキョンちゃんはキョンちゃんじゃん」
「ったく千尋は困った子だなあ」
ひろはその言葉に笑顔を見せて。
あ…あれ?
なんだよ、この雰囲気。
なんか、
なんか、
部外者立ち入り禁止、
みたいなさ。
つーか、誰だよ!
この爽やかなイケメン『キョンちゃん』って!